28mmレンズの魅力と選び方:広角の世界へ踏み出す最初の一本

28mmレンズの魅力と選び方:広角の世界へ踏み出す最初の一本

28mmという画角

広角レンズに興味がある。でも、何ミリから始めればいいのか分からない。

そんな人に、私は28mmを勧める。

28mmは、35mmより広く、21mmほど極端ではない。「ちょうどいい広角」だ。

私が普段使っているのは40mm。見たままを切り取る画角として愛用している。だが、40mmでは「入らない」場面がある。

狭い路地、高い建物、広がる風景。そんなとき、28mmが活躍する。

28mmの特徴

画角75度の世界

28mmの画角は約75度。人間の視野(約120度)よりは狭いが、50mm(約46度)や40mm(約56度)よりずっと広い。

この広さが、28mmの最大の特徴だ。

背景が入る。主題だけでなく、その周りの環境も写し込める。「どこで撮ったか」が伝わる写真になる。

パースペクティブが強調される。手前は大きく、奥は小さく。この遠近感が、写真に奥行きを与える。

35mmとの違い

28mmと35mmは、たった7mmの差だ。しかし、この7mmは大きい。

35mmは「見たもの+α」を切り取る画角。28mmは「見たもの+環境」を切り取る画角。

35mmで撮ると、主題が際立つ。28mmで撮ると、主題と環境の関係が見える。

私は40mmをメインに使っているが、35mmの周八枚と28mmのColor-Skoparを使い分けている。40mmは「日常」、35mmは「物語」、28mmは「場所」を撮るレンズだ。

21mmとの違い

21mmまで広くなると、パースペクティブが極端になる。建物が倒れ込むように写り、人物の顔は歪む。

28mmは、そこまで極端ではない。パースペクティブはあるが、不自然さは少ない。

広角初心者が21mmから始めると、使いこなしが難しい。28mmなら、広角の特徴を活かしつつ、自然な写真が撮れる。

Color-Skopar 28mm F2.8という選択

私が使っているのは、Voigtländer Color-Skopar 28mm F2.8だ。

なぜこのレンズを選んだか

コンパクトさ。Leica Mマウントの28mmレンズの中で、最も小さく軽い部類に入る。Nokton 40mmと並べても違和感がない。

価格。Leica純正のSummicron 28mmは50万円を超える。Color-Skoparは6万円台。10分の1以下だ。

描写。開放からシャープで、絞っても破綻しない。Voigtländerらしい、クセのない素直な描写だ。

最短撮影距離70cmの制約

このレンズの最短撮影距離は70cm。Leica Mのレンジファインダーの限界と同じだ。

70cmは、テーブルフォトには少し遠い。料理を撮るには、席から立ち上がる必要がある。

だが、ストリートスナップや風景では、70cmで困ることはほとんどない。むしろ、被写体との適切な距離を保てる。

Nikon ZfでVM-Zアダプターを使えば、ヘリコイド分だけ最短が縮まる。50cm程度まで寄れるようになり、テーブルフォトも可能になる。

28mmの使いこなし

ストリートスナップ

28mmはストリートスナップに向いている。

理由1:被写体と環境を同時に捉える

40mmや50mmでストリートスナップを撮ると、人物がメインになりがちだ。28mmなら、人物と街の関係が写る。

「この人がこの場所にいる」という文脈が伝わる。

理由2:距離を取れる

28mmは画角が広いので、被写体から距離を取っても、ある程度の大きさで写る。

ストリートスナップでは、被写体に近づきすぎると威圧感を与える。28mmなら、2〜3m離れても自然な構図が作れる。

建築・インテリア

建物の外観や室内を撮るとき、28mmは重宝する。

50mmでは入りきらない建物の全景が、28mmなら収まる。室内でも、部屋の広がりを表現できる。

ただし、建物を見上げて撮ると、パースペクティブで上が狭くなる。これを避けるには、カメラを水平に保つか、後処理で補正する。

風景

広がる風景を撮るとき、28mmは「広すぎず、狭すぎない」。

21mmだと空が広くなりすぎて、間延びした写真になりやすい。28mmなら、適度に空を入れつつ、主題も際立つ。

前景を入れた構図も作りやすい。手前の花や岩を入れることで、奥行きのある風景写真になる。

ゾーンフォーカスとの相性

28mmは、ゾーンフォーカスとの相性が抜群だ。

被写界深度の深さ

広角レンズは、同じ絞り値でも被写界深度が深い。28mm F8で2mに合わせると、約1.3mから無限遠までピントが合う。

これは40mmより広い範囲だ。ゾーンフォーカスがさらに使いやすくなる。

私の設定

ストリートスナップでは、28mm F8、距離2mに設定することが多い。

この設定なら、目の前の被写体から遠くの背景まで、すべてにピントが合う。シャッターチャンスを逃さない。

曇りや夕方で光が足りないときは、F5.6に開けて、距離を少し遠めの2.5mに設定する。被写界深度は浅くなるが、まだ十分に使える範囲だ。

28mmレンズの選び方

Leica Mマウント

Leica Mマウントで28mmを選ぶなら、いくつかの選択肢がある。

Voigtländer Color-Skopar 28mm F2.8:コンパクトで安価。描写は素直。私のおすすめ。

Voigtländer Ultron 28mm F2:F2の明るさが必要なら。Color-Skoparより大きく重い。

Leica Summicron-M 28mm F2 ASPH.:最高の品質を求めるなら。ただし50万円超え。

ミラーレス用

ミラーレスカメラで28mmを使うなら、純正レンズかアダプター経由でMFレンズを使う。

Nikon NIKKOR Z 28mm f/2.8:コンパクトなAFレンズ。手頃な価格で使いやすい。

Sony FE 28mm F2:Sonyユーザーなら。AFが速く、普段使いに最適。

MFレンズをアダプターで使う場合は、広角レンズ特有の問題に注意。センサーへの入射角が浅くなり、周辺部に色かぶり(マゼンタシフト)が出ることがある。

Nikon Zfはセンサーカバーガラスが薄く、Mマウント広角との相性が良い。私がZfを選んだ理由の一つだ。

Mマウント広角レンズとの相性が良いミラーレス。Color-Skopar 28mmも問題なく使える。

¥299,200 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

40mmユーザーが28mmを追加する意味

私のメインレンズは40mmのNokton。なぜ28mmを追加したのか。

40mmで入らない場面がある。狭い室内、高い建物、広い風景。40mmでは後ろに下がれない場面で、28mmが活躍する。

表現の幅が広がる。40mmは「見たまま」を切り取る。28mmは「環境との関係」を切り取る。同じ被写体でも、違う表現ができる。

2本で完結する。40mmと28mmがあれば、日常の撮影はほぼカバーできる。50mmや35mmを足す必要がない。

2本持ち歩いても、どちらもコンパクトなので負担にならない。Nokton 40mmとColor-Skopar 28mmの組み合わせは、私の旅の定番だ。

まとめ:広角への入口として

28mmは、広角レンズの入口として最適な画角だ。

35mmより明確に「広い」と感じられる。21mmほど極端ではなく、使いこなしやすい。

ストリートスナップ、建築、風景。様々なシーンで活躍する万能な広角だ。

ゾーンフォーカスとの相性も良く、スナップシューターには特におすすめできる。

私はVoigtländer Color-Skopar 28mm F2.8を使っている。コンパクトで、価格も手頃。Leica Mマウントで広角を始めるなら、最初の一本として間違いない選択だ。

便利じゃない理由には、だいたい意味がある。28mmの「広すぎない広角」という中途半端さには、使いやすさという意味がある。

今回紹介した機材

Mマウント広角レンズとの相性が良いミラーレス。センサーカバーガラスが薄く、周辺色かぶりが出にくい。

¥299,200 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

私のメインボディ。Color-Skopar 28mmとの組み合わせでストリートスナップを楽しんでいる。

488,800円 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

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松本 幹也

不便さを愛し、収差を「絵筆」として使う哲学者。コシナレンズとLeicaを愛するSIerインフラエンジニア。

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