NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sレビュー|旅の最適解を1年使って確信した

NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sレビュー|旅の最適解を1年使って確信した

旅に持ち出すレンズは1本だけ

旅先でレンズ交換はしたくない。

埃の多い街中、湿気の高い海辺、砂が舞う遺跡。そんな環境でマウントを開放するのは、センサーにゴミを付着させるリスクを冒すことだ。

だから私は、旅には1本のレンズだけを持っていく。その1本として選んだのが、NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sだ。

2025年2月に購入してから1年。国内外の旅に持ち出し続けて、この選択が正解だったと確信している。

なぜ24-120mmなのか

標準ズームの定番は24-70mm f/2.8だ。大三元の一角であり、多くのプロが選ぶ焦点距離だ。

だが私は、24-120mmを選んだ。理由は明確だ。

70mmでは足りない場面が多すぎる。

街角のディテール、遠くの建築物、近づけない被写体。旅先では望遠が必要な場面が頻繁に訪れる。70mmで撮って「もう少し寄りたい」と思う瞬間、120mmがあれば解決する。

Nikon Z7で撮影したウィーン市庁舎とテセウス神殿
Nikon Z7で撮影。望遠側で建築のディテールを切り取る。24-120mmならこの画角も1本でカバー Photo by Sandor Somkuti / CC BY-SA 2.0

逆に、24mmより広角が必要な場面は意外と少ない。狭い室内や雄大な風景では確かに超広角が欲しくなるが、それは年に数回だ。毎日の撮影で必要な焦点距離は、24-120mmでほぼカバーできる。

f/4通しという合理的な選択

「f/2.8じゃないと暗所で困る」という意見がある。

だが私の答えは明確だ。三脚を使えばいい。

f/2.8とf/4の差は1段。ISO感度を1段上げるか、シャッター速度を1段遅くすれば同じ露出が得られる。Z7 IIの高感度耐性を考慮すると、ISO 3200までは実用範囲だ。

そして、f/4通しを選ぶことで得られるメリットは大きい。

  • 軽量化:約630gは24-70mm f/2.8 Sより約225g軽い
  • コンパクト:最大径約77.5mm、長さ約118mm
  • 価格差:約10万円の差額で他の機材を買える

旅において、軽さは正義だ。1日中歩き回る中で、225gの差は確実に体感できる。

5倍ズームでもS-Lineの解像度

高倍率ズームは画質が犠牲になる。それが常識だった。

だがNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは、その常識を覆す。5倍ズームでありながら、S-Lineの名に恥じない解像度を実現している。

私がZ7 IIと組み合わせて使う中で、等倍で確認しても不満を感じたことはない。中央から周辺まで均一に解像し、4575万画素のセンサー性能を引き出せる。

特に驚いたのは、望遠端120mmでの描写だ。通常、高倍率ズームは望遠端で画質が劣化する。だがこのレンズは、120mmでも中央の解像度が落ちない。

もちろん、NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sと比較すれば、わずかに解像度は劣る。だがその差は、等倍で見比べてようやく分かる程度だ。A3プリントでも判別は困難だろう。

旅先での実用性

1年間、このレンズを持って旅をした。その中で実感した実用性を報告する。

広角24mmの活用

  • 街並みのスナップ
  • 建築物の全景
  • 室内での集合写真

標準50mm付近の活用

  • 料理の撮影
  • ポートレート
  • 街角のディテール

望遠120mmの活用

  • 遠くの建築物
  • 動物園での撮影
  • 近づけない被写体

この焦点距離の守備範囲の広さが、レンズ1本で旅を完結させる理由だ。

このレンズの限界

完璧なレンズは存在しない。24-120mm f/4 Sにも限界がある。

開放F値の限界 f/4では、背景を大きくぼかすことは難しい。ポートレートで被写体を際立たせたいなら、単焦点レンズが必要だ。私はNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sをサブとして持つこともある。

超広角の不足 24mmより広い画角が必要な場面では力不足だ。雄大な風景や狭い室内では、14-24mm f/2.8 Sが欲しくなる。

望遠の限界 120mmでは、野鳥や遠くのスポーツは撮れない。そもそも、それは旅レンズに求める領域ではない。

24-70mmや70-200mmとの比較

項目24-120mm f/4 S24-70mm f/2.8 S70-200mm f/2.8 S
焦点距離24-120mm24-70mm70-200mm
開放F値f/4通しf/2.8通しf/2.8通し
重量約630g約805g約1,360g
価格約14万円約27万円約30万円
守備範囲★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆

旅に24-70mmと70-200mmの2本を持っていく選択肢もある。だが合計重量は約2,165g、価格は約57万円だ。

24-120mm f/4 S 1本なら、630gで14万円。差額の43万円で、旅の回数を増やせる。

NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sの評価まとめ

項目評価コメント
解像度★★★★★5倍ズームでもS-Line品質
焦点距離★★★★★旅に最適な守備範囲
携帯性★★★★☆f/2.8より軽量、単焦点より重い
ボケ味★★★☆☆f/4の限界、背景ぼかしは控えめ
コストパフォーマンス★★★★★大三元より圧倒的に安い

中途半端な機材を複数持つより、完璧な一台を使い倒す。

旅において、NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは「完璧な一本」だ。これ以上でもこれ以下でもない、最適解という確信がある。

5倍ズームでありながらS-Line品質。旅の最適解となる標準ズームレンズ。

¥139,314 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

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中村 徹

物理的正しさこそ美。収差を許さない完璧主義者、S-Lineの守護者。

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