シャッタースピードの決め方、被写体別に副業フォトグラファーが解説

シャッタースピードの決め方、被写体別に副業フォトグラファーが解説

シャッタースピードは「保険」で決める

カメラの設定で、最も「失敗に直結する」のがシャッタースピード。

ISO感度が高くてもノイズ除去できる。絞りが甘くても「表現」と言い張れる。

でも、ブレた写真は納品できない

今日は、僕が副業撮影で使っているシャッタースピードの決め方を、被写体別に解説する。

シャッタースピードの基本原則

手ブレを防ぐ目安:「1/焦点距離」秒

古くから言われている法則。

  • 50mmレンズなら、1/50秒以上
  • 100mmレンズなら、1/100秒以上
  • 24mmレンズなら、1/24秒以上

焦点距離の逆数が、手ブレを防ぐ最低ライン。

ただし、これは「最低ライン」であって「安全ライン」ではない。

手ブレ補正の恩恵

α7R Vには8段分の手ブレ補正がある。

理論上、1/50秒が必要な場面で1/1秒(約5-6段分)でも手ブレしない計算。

でも、僕は2段分しか信用していない。

1/50秒が目安なら、1/15秒まで。それ以上は三脚を使う。

なぜか。6100万画素は、わずかなブレも拡大すると目立つから。

被写体ブレは別問題

手ブレ補正は「カメラの揺れ」を補正する。

被写体が動けば、それはブレる。

ポートレートで人が動く。イベントで登壇者がジェスチャーする。物撮りでも、風で商品が揺れる。

被写体ブレを防ぐには、シャッタースピードを上げるしかない。

被写体別:シャッタースピードの目安

ポートレート撮影

シチュエーション推奨SS理由
静止ポーズ1/125秒微細な体の揺れを止める
歩きながら1/250秒脚の動きを止める
髪なびき1/500秒髪の毛先まで止める
ジャンプ1/1000秒以上完全に止める

ポートレートの基準は1/125秒。

これより遅いと、まつ毛や髪の毛にブレが出る。6100万画素で拡大すると、はっきり分かる。

僕は安全マージンを取って、1/200秒をデフォルトにしている。

物撮り・商品撮影

シチュエーション推奨SS理由
三脚固定1/60〜1/125秒被写体が動かないなら十分
手持ち1/125秒以上手ブレ防止
ストロボ使用1/125〜1/200秒同調速度の範囲内

物撮りは三脚が基本。

三脚を使えば、シャッタースピードの制約から解放される。ISO100で最高画質を追求できる。

手持ちで物撮りをする場面は少ないが、現場でのサンプル撮影などでは1/125秒を確保する。

イベント撮影

シチュエーション推奨SS理由
登壇者(静止)1/125秒基本の立ち姿
プレゼン中1/250秒ジェスチャーを止める
拍手シーン1/500秒手の動きを止める
表彰・握手1/250秒腕の動きを止める

イベント撮影は1/250秒をベースに。

登壇者は予測不能に動く。「今から動きます」とは言ってくれない。

1/250秒あれば、大半のジェスチャーは止められる。

夜景・低照度

シチュエーション推奨SS理由
三脚使用1秒〜30秒光跡を活かす場合も
手持ち夜景1/30〜1/60秒手ブレ補正頼み
夜ポートレート1/60〜1/125秒被写体ブレ優先

夜景は三脚前提。

手持ちで夜景を撮る案件は少ない。あっても、ISO感度を上げて対応する。

夜のポートレートは難しい。被写体ブレを防ぐ1/125秒と、適正露出の両立が求められる。ストロボか高ISO感度で対応する。

α7R Vでの設定例

絞り優先(Aモード)の場合

僕は普段、絞り優先モードで撮影している。

シャッタースピードはカメラ任せだが、最低シャッタースピードを設定しておく。

MENU → 露出 → ISO感度 → 低速限界

ここで「1/125秒」を設定しておけば、それより遅くならない。

足りない分はISO感度が自動で上がる。

シャッタースピード優先(Sモード)の使いどころ

動きものを確実に止めたいとき、Sモードに切り替える。

  • スポーツ系イベント
  • 子どもの撮影(動きが予測不能)
  • 表彰式のくす玉割り

「この瞬間は絶対止めたい」という場面でSモード。

マニュアル(Mモード)+ ISO AUTO

ストロボ撮影や、完全にコントロールしたい場面ではMモード。

絞りとシャッタースピードを固定し、ISO AUTOで露出を調整させる。

スタジオ撮影では、ISO100固定のフルマニュアル。

失敗を防ぐチェックリスト

撮影前に確認すること。

1. 最低SSを設定しているか

カメラ任せでシャッタースピードが遅くなりすぎないように。

2. 被写体の動きを予測しているか

静止画に見えても、人は微妙に動いている。

3. ISO感度の上限を確認したか

α7R Vなら、ISO12800までは実用範囲。それ以上はノイズが目立つ。

4. 手ブレ補正をONにしているか

たまにOFFになっていることがある。確認。

5. 試し撮りで拡大確認したか

現場で1枚撮って、100%拡大でブレを確認。

よくある失敗パターン

失敗1:「止まってるから大丈夫」と油断

ポートレートで、被写体が「止まっている」と思って1/60秒で撮影。

拡大すると、まつ毛がブレている。

人間は完全には止まれない。

失敗2:望遠で手ブレ補正を過信

70mmで1/30秒。「手ブレ補正があるから大丈夫」と思った。

拡大すると、全体的に甘い。

望遠ほど、手ブレ補正の効果は落ちる。

失敗3:ストロボ同調速度を超える

1/250秒でストロボ撮影。同調速度は1/200秒だった。

画面の一部が黒くなる。

ストロボ使用時は同調速度を確認。

まとめ:被写体別シャッタースピード早見表

被写体最低SS推奨SS備考
静止ポートレート1/125秒1/200秒微細なブレ防止
動きあり人物1/250秒1/500秒手足の動きを止める
物撮り(三脚)1/60秒-ISO最優先
物撮り(手持ち)1/125秒1/200秒手ブレ防止
イベント1/250秒1/320秒予測不能な動き対応
夜景(三脚)-1秒〜長時間露光OK
夜ポートレート1/60秒1/125秒ストロボ併用推奨

迷ったら「思ってるより1段速く」。

ブレた写真は取り返しがつかない。ISO感度が上がってノイズが増えても、ブレるよりマシ。

副業撮影で「安定した納品」を続けるために、シャッタースピードの設定は慎重に。

失敗は、クライアントの信頼を失うことに直結する。

8段分の手ブレ補正搭載。ただし高画素機ゆえ、設定は慎重に。

¥484,555 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

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清水 康介

減価償却のためにシャッターを切る、ROIの鬼。ITコンサル兼副業フォトグラファー。

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