レンズフィルターの種類と選び方|保護・PL・NDの使い分けを解説

レンズフィルターの種類と選び方|保護・PL・NDの使い分けを解説

フィルターは「必要なものだけ」買う

レンズフィルターは種類が多い。保護フィルター、UVフィルター、PLフィルター、NDフィルター…。

「とりあえず全部揃えておこう」と考える人もいるが、私は必要なものだけを買う主義だ。

高品質なS-Lineレンズの前に、安価なフィルターを付けるのは本末転倒。フィルターを付けるなら、レンズ性能を損なわない高品質なものを選ぶべきだ。

レンズフィルターの種類

まず、主要なフィルターの種類を整理する。

保護フィルター(プロテクトフィルター)

レンズ前面を物理的に保護するフィルター。傷、汚れ、衝撃からレンズを守る。

メリット

  • レンズ前玉の傷を防げる
  • 汚れてもフィルターを拭けばいい
  • フィルター交換はレンズ修理より安い

デメリット

  • 光学的にはマイナス要素(反射、フレア増加)
  • 高品質品は高価

UVフィルター

紫外線をカットするフィルター。フィルム時代は必須だったが、デジタルではセンサー前にUVカット機能があるため、実質的に保護フィルターと同じ用途になっている。

PLフィルター(偏光フィルター)

反射光をコントロールするフィルター。水面やガラスの反射を抑えたり、空の青を濃くしたりできる。

用途

  • 水面の反射を消して水中を見せる
  • ガラス越しの撮影で映り込みを軽減
  • 空の青を濃く、雲を白く表現

注意点

  • 光量が1〜2段落ちる
  • 回転させて効果を調整する必要がある
  • 広角レンズでは効果にムラが出やすい

NDフィルター(減光フィルター)

光量を減らすフィルター。明るい環境でスローシャッターを使いたいときに必要。

用途

  • 滝や川の水を滑らかに表現
  • 日中の長時間露光
  • 明るい環境で開放絞りを使う

種類

  • ND4(2段減光)
  • ND8(3段減光)
  • ND16(4段減光)
  • ND1000(10段減光)
  • 可変ND(連続的に減光量を調整)

本当に必要なフィルターはどれか

結論から言う。私が使っているのは保護フィルターのみだ。

保護フィルター:必要

S-Lineレンズは高価だ。NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sは約14万円、Z 50mm f/1.8 Sは約8万円。前玉に傷が付いたら、修理費用は数万円かかる。

保護フィルターは保険として考えている。

ただし、安価なフィルターは使わない。S-Lineレンズの光学性能を損なわないよう、高品質なフィルターを選ぶ。

私が使っているのはNikon ARCREST IIだ。

ニコン純正の最高級保護フィルター。超低反射コーティングでS-Lineレンズの性能を損なわない。

¥14,300 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

ARCREST IIは高価だが、以下の理由で選んでいる。

  • 超低反射コーティング:反射率0.1%以下、フレア・ゴーストを最小化
  • ゼロワン ニュートラルカラー:色味への影響がほぼゼロ
  • 高硬度:傷に強い表面処理

「フィルターに1万円以上?」と思うかもしれないが、10万円以上のレンズを守る保険と考えれば安い。

PLフィルター:場面による

PLフィルターは、風景撮影で反射をコントロールしたいときだけ必要だ。

私は持っていない。理由は以下の通り。

  1. 使う場面が限定的:水面やガラスを撮ることが少ない
  2. 後処理で対応可能:空の色はRAW現像で調整できる
  3. 光量が落ちる:1〜2段の減光は手持ち撮影で不利

風景撮影がメインで、水面や反射をよく撮る人には必要だろう。PLフィルターを買うなら、高品質なものを選ぶべきだ。

撥水・防汚コーティングで扱いやすい高品質PLフィルター。風景撮影の定番。

¥14,480 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

NDフィルター:場面による

NDフィルターは、スローシャッターを使いたいときだけ必要だ。

私は持っていない。理由は以下の通り。

  1. 日中の長時間露光をしない:滝や川を撮る機会が少ない
  2. 絞りで対応可能:明るい環境では絞ればいい
  3. 可変NDは画質劣化:安価な可変NDはX状のムラが出る

滝の撮影や日中の長時間露光が目的なら、高品質な可変NDを選ぶべきだ。安価な可変NDはX状のムラが出るが、品質の良いものなら問題ない。

日本製AGC光学ガラス採用。X状ムラなし、28層ナノコーティングで高画質を維持。

¥5,918 (記事作成時の価格です)

rakuten.co.jp

フィルター選びの基準

フィルターを選ぶときの基準を整理する。

1. フィルター径を確認

レンズごとにフィルター径が異なる。購入前に必ず確認すること。

レンズフィルター径
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S62mm
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S77mm

私はレンズごとにフィルターを揃えている。ステップアップリングで共用する方法もあるが、見た目と使い勝手の問題で避けている。

Z 50mm f/1.8 S用には62mmのARCREST IIを使用している。

Z 50mm f/1.8 S用。77mmと同じ超低反射コーティングで、レンズ性能を損なわない。

¥9,486 (記事作成時の価格です)

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2. コーティング品質

安価なフィルターと高級フィルターの差は、コーティング品質にある。

安価なフィルター

  • 反射率が高い(1〜2%)
  • フレア・ゴーストが増える
  • 色味が変わることがある

高級フィルター

  • 反射率が低い(0.1〜0.5%)
  • フレア・ゴーストを最小化
  • 色味への影響がほぼない

S-Lineレンズは光学的に優れている。その前に品質の低いフィルターを付けると、レンズ性能を活かせない。

3. 枠の厚さ

フィルターの枠が厚いと、広角レンズでケラレ(四隅が暗くなる)が発生する。

24mm以下の広角レンズには、薄枠タイプを選ぶこと。

まとめ:必要なものだけ、高品質を

レンズフィルターは「とりあえず」で買うものではない。

フィルター私の判断理由
保護フィルター必要レンズを守る保険
PLフィルター不要使う場面が限定的
NDフィルター不要スローシャッターを使わない

必要なフィルターが分かったら、品質で妥協しないこと。

安価なフィルターで数千円を節約しても、レンズ性能を損なったら意味がない。高価なレンズを使うなら、フィルターも高品質なものを選ぶ。

「中途半端な機材を複数持つより、完璧な一台を使い倒す」が私の信条だ。フィルターも同じ。必要なものだけを、最高品質で揃える。

今回紹介したフィルター

Z 24-120mm f/4 S用。超低反射コーティングでS-Lineレンズの性能を損なわない。

¥14,300 (記事作成時の価格です)

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Z 50mm f/1.8 S用。77mmと同じ超低反射コーティング。

¥9,486 (記事作成時の価格です)

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風景撮影に。撥水・防汚コーティングで扱いやすい高品質PLフィルター。

¥14,480 (記事作成時の価格です)

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滝や長時間露光に。日本製AGC光学ガラス、X状ムラなし。

¥5,918 (記事作成時の価格です)

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物理的正しさこそ美。収差を許さない完璧主義者、S-Lineの守護者。

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